里山の生物調査実習(データー整理、解析、まとめ)

講師 北澤哲弥
開催場所 千葉市科学館
開催日時 2013年9月13日


秋の講座がスタート、6,7月と行ってきた里山の生物調査実習の最終講座だ。そのなかでも植物調査に特定した講義と調査実習であるが、植物を調べる重要性、どの植物を調べるのか、さらに前々回行った群落(生物相)調査の目的・利点・欠点・事例など改めて復習した。同時に調査に際して調査地の特徴や土地の所有者の意向の把握そして行き会う土地の人たちへの挨拶などが欠かせないことが補足された。



畑法面における調査区域の草丈と被度を計算する各班
いよいよ群落調査のまとめを始める前に実習地「小倉谷津」を画面上でじっくりと(鳥の目とタイムマシンで)俯瞰、自分たちが調査した畑法面・林縁・農道・農道林縁・水路・休耕田・水田(畔A・畔B)を再確認した。
その上で「畑法面」を例題にして、ここを調査した4班(1A,1B,2B,3A)がそれぞれに存在を確認した植物名(種)を発表、その数は46種に及び、全班が見つけたもの、ひと班しか見つけなかったものなどが入り混じり、調査の何たるかを彷彿とさせたところで、正確な調査方法が説明されて、一層興が高まってきた。



今回は調査した森林方形区について計算
午後は、前回の森林調査のまとめ。森林(大本層)および森林・草原(草本層)の正しい調査方法を再度説明受けた。それから、まずは大本層の解析方法として「胸高断面積の計算」を6班が調査した10メートル四方の方形区について種ごとの断面積と面積合計を算定した上で相対優先度を算定、種ごとの優先種を特定して発表しあった。その1位~3位に多く列挙されたのはクヌギ、コナラ、イヌシデ、コブシ、エゴノキ、ヤマザクラなどであった。
次に草本層の解析方法として「草丈と被度」を例題にして、1メートル四方の方形区植被率・被度を測定した6班が結果を発表しあった。各班の植被率は80%から50%までとまちまち、ただしそこで占める優先種のトップがアズマネザサで5か所の方形区で見られ、以下イヌシデ、スイカズラ、アケビの順に多かった。



最後に優先種を黒板に掲示
大本層・草本層ともこれらの調査データを一覧表にまとめ、その変化と原因を考え、それをもとに保全のための管理方法を検討していくという手順、そのためにも上記のような調査とその各年継続がつとに重要であることが理解できた。

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