第54,55回講座「自然体験活動の基礎技術、自然体験活動の指導法」

講師 白井 健、小松 敬
開催場所 君津亀山少年自然の家
開催日時 2014年1月23日

テーマは、
「自然体験活動の基礎技術」と「自然体験活動の指導法」

県立君津亀山少年自然の家にて

 年が明けてから続く寒波も、大寒入りしたとたんに中休みになったか雲一つない好天気に恵まれ、今日は和らいだ。君津亀山少年自然の家に出向き、透き通る青空の下で自然体験活動の技術と指導法について講習を受ける。午前の「基礎技術」講座の講師は新進気鋭の白井健氏。午後からの「指導法」の講師はベテラン小松敬氏が務められた。欠席者10名。

 午前の講座では、野外での燻製づくり体験を通してその技術を学んだ。臆することもない白井講師は、普段子どもたちに接するように、ベテランも交じるシニアを相手に温燻と熱燻の2つの燻製技術を指導された。午後の小松講師の講座は前回に続き自然体験活動の指導法を語るもの。コミュニケーションを重視し、体験することで発見につなげる指導法を自らプレゼンテーションされた。KP法と自称される指導方法で、口頭で教えるのではなく体験から学び取ることを狙いとする。小松氏が指導する野外ゲームに参加し、お遊びを楽しみながらも、確かに何かを汲み取ることが出来たような気がした。

白井 健講師小松 敬講師

第54回講座 「自然体験活動の基礎技術」
講師 白井 健氏(君津亀山少年自然の家 指導室)
日時 1月23日(木)10:00~12:00
場所 県立君津亀山少年自然の家

野外の燻製づくり体験

 キャンプファイアーや飯盒炊飯での火熾し、ロープワークなど野外で必要とされる技術にはいろいろあるが、燻製技術もその一つ。肉や魚などを煙で燻すと保存するのに良い。最近では燻製したときの「香り」と「味」が好まれるようになっており、野外での美味しい燻製づくりとして人気があると聞く。今回は先ず、「そのままで食べられるものを使ったお手軽レシピ」を使った温燻から始めた。加熱しなくても食べられるチーズ・ちくわ・ソーセージの温燻である。装置はいたって簡単。用意されていた段ボール箱をスモーカーに、内部に網を置く仕組みを作り、その上に食材を置き、スモークウッドの複数の箇所から煙が出るように火をつけ、蓋を閉めて1時間待つと燻製が出来上がった。

30~40分で完成する豚バラの熱燻(熱燻製)にも挑戦した。肉や魚でも短時間(20分~4時間)で出来るのが熱燻。こちらは中華鍋で燻すものだが、食材の下ごしらえが必要となるので全体としては少し複雑な工程となる。但し保存はできない。今回は事務局の方で豚のばら肉とタコを手頃に切っておき、日蔭で風の透る場所で1時間程乾燥してくれていたので、それからの作業にはさほどの手間はかからなかった。鍋にスモークチップを敷き、その上に丸い網をかけ、食材を置いて鍋をアルミホイルで覆い火をつけると、後は火加減の調整だけ。煙が出てくるまでは強火で、その後は弱火で燻した。

会場となった県立君津亀山少年自然の家炊事場前の広場で温燻づくり煙が出始めた段ボールスモーカー
指導中の白井講師熱燻は中華鍋を使い、鍋の底にスモークチップを敷いて丸い網を置き、その上に食材を置いて燻す。燻す間は写真のように鍋をアルミホイルで覆う。スモークチップはリンゴ、ナラ、サクラの木のチップを使用した。リンゴは甘い香りが良いとの声が。
鍋の底に敷いたスモークチップ。燻製後に撮影したもの。短時間で均一に燃やすのが難しいようだ。火は中くらいの火加減で燻した。燻し具合はどうだろうか。豚バラ肉とタコを燻製にした。味見してみる。
これが出来上がり温燻にしたチーズと竹輪とソーセージ出来上がった燻製を試食する

第55回講座 「自然体験活動の指導法」
講師 小松 敬氏(NPO法人千葉自然学校事業推進部長)
日時 平成26年1月23日(木)13:00~15:00
場所 県立君津亀山少年自然の家

ネイチャーゲームに参加し、その体験から学ぶ自分の指導法

 3チームに別かれて、二つのネイチャーゲームを行った。輪を使ったゲームとパイプラインを使ったイニシアティブゲームだ。ゲームで設定された目標を達成するためには、チーム内での会話、分担、リーダーシップなどのチームワークが求められる。それを引き出してやるのが、指導者としてやるべきことだと理解した。直接に指示するのではなく、仲間との触れ合いや会話などを引き出すようにプログラムをデザインしていく…。
筆者は横で傍観していたが、イニシアティブゲームは面白かった。高等学校の新入生を迎えるオリエンテーションで活かされているとかで、それにしてもシニアの課題解決能力の高さには驚かされた。不可能に近いと思われていたことを解決していくチームワーク、役割、リーダーシップが見事に発揮され、時間内に目標をクリアしておられた。

一輪の輪を小指で支えるゲーム班別に分かれてゲーム開始2輪ゲームは先ず手をつなぐ
手をつないだまま輪を回す。パイプラインを使ったイニシアティブゲームについて説明を聞く。ビー玉をパイプラインの上で持ち運び、協力してゴールまで運ぶゲーム。
この方法ではうまくいかなかった。慣れるのに時間はかかったが、ビー玉はゴールに届いた。

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