第46,47回講座「観光まちづくり」

講師 浅井 信
開催場所 船橋
開催日時 2013年12月5日

テーマは、「観光まちづくり」
船橋市にて

 師走に入った。先週から穏やかで暖かい日が続いており、この日も出歩きたくなるような日和に恵まれた。本日の講座は地域活性がテーマ。近年、地域活性化の手法として注目されている観光まちづくりについて、船橋の街歩きを例にその考え方を学び、教室を出てふるさと案内マイスターの案内で街を歩いてみた。
午前、ニューツーリズムに詳しい浅井信講師による「観光とまちづくり」の概論と船橋街歩きネットワーク事務局長人見邦良氏よる「船橋の街歩き」の実践例の話を聞く。午後からは、3班に分かれて2時間半、漁港のある旧漁師町と成田街道が通った本町を中心に街なかを歩いて回った。この街歩きには、各コースに一か所、伝統的な品を売る店で店主からの説明が聞ける立ち寄り先が組み込まれていた。
講座終了後に、少し早いが、29名が参加して近くの居酒屋で忘年会が行われた。

浅井 信講師船橋の実践例を紹介する人見 邦良氏

まちづくりに活かす街歩き観光

 バブル経済が崩壊するまでは、観光は個人が楽しむものと思われてきた。観光の意義も時代とともに変わってきており、現在では観光を活かしたまちづくりが地域を活性化する重要な動きとして注目されるようになった。地方ではエコツーリズムなどが、都市部では街歩き案内などの新しいスタイルの観光が広がっている。その特色は市民が参画する観光である点だ。全国の多くの町にガイドが誕生して動き始めている。

 寺社仏閣だけでなく、ありのままの生活環境や経済環境も地域(まち)の魅力である。この地にある環境には先人たちが残した知恵が詰まっているので、その価値を再認識することが地域の誇りを取り戻すプロセスとなる。地域の活性化につなげていこうとする街歩き案内活動のエネルギーともなる。船橋では、ふなばし街歩きネットワークが市民ガイドを養成し、市民を含む来訪者を案内、もてなしを行う活動を行っている。エンターティメント性、産業コンタクト性、ふれあい交流性のある街歩き案内を通して、賑わい、経済、地産地消促進、郷土意識の向上を図ろうと活動している。街歩きにはカジュアル&カルチャーの魅力があるという。

観光の新しい潮流と市民の係わり方がサブテーマ。地域の観光を振興することは公益活動であるとの考え方を学んだ。感動を与える企画づくりが来訪者に来てもらうにはポイントとなる。人と人との交流は訪れる人に感動を与えてくれる。“船橋の街歩きは街おこしを目指す”と人見邦良事務局長。この日のコースには商店訪問が組み込まれていた。

街歩きに参加したことのある受講生は居られなかった。新しいスタイルの観光をどう受け止められたか?ガイド(7名)の紹介があり、街歩きの注意点を聞く。3班に分かれて街なかに出発した。おしどり夫婦のマイスターからコースについての案内を聞く。最初の訪問先は地元の海苔などを売る商店。

海苔などの地元特産品や土産・ギフトを売る「川守商店」を訪れた。店主から店先で説明を聞いた。特産の船橋三番瀬海苔の試食を勧められ、体験してみた。江戸前の海苔はどんな味がしたか。江戸時代から続く呉服店「森田屋」。店内で船橋格子柄など伝統的なデザインについて店主から説明を聞く。

街なかを歩く3班。好天にも恵まれ表情も明るい。船橋の名刹、浄勝時境内にて。寺のある一帯は江戸時代の船橋宿。女郎地蔵が境内にあった。船橋漁港にて。港には巻き網船、底引き網船、浅利船が係留されていた。漁港が船橋に!と驚かれる人も。

正面には、西鳥居が見える船橋大神宮。船橋を代表する神社である。市民に親しまれてシンボルにもなっている。沖行く船の航行安全のために造られた大神宮境内の橙明台。明治時代に民間人によって造られた灯台。船橋の地名は海老川に船を浮かべて橋としたことに由来する。海老川橋の記念プレートに刻まれていた。

東京湾の最奥にある漁港。防潮塀の前で案内するガイド。

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