第16回講座「野菜入門」
講師 | 甲田暢男 |
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開催場所 | 塚本ビル |
開催日時 | 2012年6月28日 午前 |
テーマは、「野菜入門(その2)」
野菜づくりの総論を学ぶ
講師 甲田暢男氏(NPO法人ちば農業支援ネットワーク理事)
日時 6月28日(木)10:00~12:00 場所 塚本ビル8F
内容 野菜の来歴、特性、品種の成り立ちに関する基礎知識や、播種、定植などの栽培管理や、施設栽培、有機栽培、養液栽培などの方式について、野菜づくりの全般的なことを学んだ。甲田暢男講師
テキスト集
野菜づくりについて、その全般を学ぶ。
第16回講座は、甲田暢男講師による座学講義(午前)。さつまいも栽培の実習に引き続いての講義となった。テーマは野菜栽培総論で、野菜づくりの基礎知識と栽培方法について一通りのことを学んだ。野菜は毎日食卓に上るものであり、誰しもある程度の知識はもっているけれども、その栽培方法などについては詳しくは知らない。この講座で総論として一通りのことを聞くことで、ばらばら状態であった知識が整理された。これも楽しい。
農作物には普通作物、園芸作物、工芸作物の3種類がある。野菜、果樹、花卉が分類される園芸作物が今日の講義の対象である。園芸とは、四角に囲ったなかで植物を育てることを意味する。と、講義は定義から始まった。では、「野菜」と「蔬菜」の違いについては?野生の植物を含め手間をかけて栽培したものが蔬菜であり、自然に生育しているものを単に採取して食用とするものが野菜であるというのが定義。そうすると、私たちが普段口にしているものは、野菜はほとんどなく、蔬菜ということになる。だが、蔬菜だと昔は言っていたが、栽培に手がかかりすぎということで、今日では野菜の方が一般的に使われるとのことであり、定義と実際に使われている用語には乖離があるとのことであった。用語の変遷を知ることもおもしろいものだ。
講義は以下のように展開、その組み立てのみを記しておく。
1.野菜づくりの基礎知識
①野菜の種類
②環境条件と野菜の生理・生態
・温度と生育
・光と生育
・野菜の耐湿性
・土壌酸度と生育
・花卉分化、柚台
2.野菜の栽培方法
①作型
②栽培管理
・連作
・施肥
・播種、定植
・育苗
・うねの作り方
・間引き
・整枝、誘引
・かん水
・病害虫防除法
・野菜の鮮度保持技術
③栽培方式
・露地栽培
・施設栽培
・有機栽培
・養液栽培
筆者が興味を抱いたのは、講義の最後に触れられた有機栽培の話であった。甲田講師によると、一口に有機栽培といってもいろいろな基準があって、有機栽培には化学肥料と登録農薬の使用が可とされる普通栽培から、私などがイメージするいわゆる有機栽培や減農薬化学肥料栽培も含まれるとのことであった。又、いわゆる有機栽培にも、植物体のみを肥料源とする栽培、家畜糞尿などの使用も可とする栽培、自然物ならば無機物質でも使用を可とする栽培に分かれるという。
意外だったのは、有機栽培された野菜の味は美味しいとの賞賛をテレビなどで目にすることがあるが、確かに根菜類の美味しさはデータで裏付けられているものの、その外の野菜については裏付けるデータはないとのことで、有機栽培された野菜の味の変化は確認されていないとのことであった。普通栽培されている野菜に農薬をやらない場合は、有機栽培された野菜の味と変らないとの説明であった。
講義を聴いた感想である。少しでも野菜づくりを行ったことがある人には理解しやすくて参考になったであろうが、全く始めての人には経験がないため作り方などはイメージすることは難しいので理解しにくかったのではないか。実践の場で活かしてもらいたい。厄介な雑草 左から、スベリヒユ、カタバミ、ハマスゲ