第36.37回講座「健康と医学、花き入門」

講師 崎山 樹、金子 黎次
開催場所 塚本ビル
開催日時 2013年10月17日 午後

テーマは、「遺伝子研究から分かったこと」と「花き入門」
塚本ビル(千葉市)にて

関東直撃の台風ではこの10年で最大と予報された台風26号は、10月16日、1時間に80ミリ以上という豪雨を4時間以上も伊豆大島に降らせ、土石流による甚大な被害をもたらした。その日に太平洋上に去ったので翌日は台風一過の晴天。一部交通機関に乱れはあったが、37名が会場に集合して、予定通りに講座は行われた。

午前の千葉県がんセンター名誉センター長の崎山樹講師による講座は、最新の遺伝子研究に関する講義。専門の医学の話が中心だが、自然を学ぶ受講生のことを配慮されて組み換え遺伝子による農業のことなどについても触れられた。

午後からの金子黎次講師による講座は、ハイビスカスの鉢栽培についてのコメントとシクラメンの鉢上げの実習を行った。赤・濃いピンク・薄いピンク3色のミニシクラメンを持ち帰り、自宅で冬を越させ栽培してみることになる。

第36回講座
講座名 遺伝子研究から分かったこと
講師  崎山 樹氏(千葉県がんセンター名誉センター長)
日時  10月17日(木)10:00~12:00
場所  塚本ビル8階会議室

崎山 樹講師崎山講師の講義に聞き入る

遺伝子研究の講義を聞いて

 この十数年で急速に進んだ宇宙研究の話には驚かされたが、遺伝子の分野も飛躍的に研究が進んでいるという。DNA二重らせん構造の発見(1953年)から50年後の2003年にはヒトゲノムの解読に成功し、今や、支払可能な範囲(10万円位)で一人ひとりの遺伝子のことが分かる時代に入ったという。日進月歩という表現があるが、これは劇的な形で私たちの体の神秘を解き明かしてくれる研究であり、遺伝子の世界が身近なものになった。

 難解な遺伝子の世界を平易に解説してもらった。例えば、体に組み込まれた遺伝子の仕組みについての解説の場面では、途方もない情報が詰めこまれているこの仕組み(ヒトゲノム)のことを説明するのに、抽象的に言われても想像するにも困難なことであり、分かり易い比喩を使って説明された。200頁(15万字)の新書を毎日1冊読んでも56年間かかる量に匹敵するものだと噛み砕かれる。この比喩も講師が考案されたものであるとか。

地球上の生物が生存するために共通してもった戦略、それが遺伝子の仕組みであり、それ故、生物の起源は単一であるという。この話は動物学の講師からも聞いていたが、崎山講師による丁寧な解説を聞き、さらに理解を深めることができた。

話の内容は難しいが、崎山講師の解説は平易で分かり易い。遺伝子はどこにあるか?質問者の傍まで行き、丁寧に聞き取り回答されるのが講師のスタイル
最後列の受講生の許まで足を運び、質問を確認される。回答も丁寧に、シンプルに。休み時間中も質問者が…。

第37回講座
講座名 花き入門
講師  金子 黎次氏(NPO 法人ちば農業支援ネットワーク理事)
日時  10月17日(木)13:00~15:00
場所  塚本ビル(千葉市)8階会議室

金子 黎次講師実習用のミニシクラメン

ミニシクラメンの鉢上げ実習

 鉢上げした花を育てるのはなかなか難しいようだ。自宅に持ち帰って育てたハイビスカスの栽培成果について尋ねられたが、四分の一位の人がうまくいかなかったとの応え。失敗の最大の要因は水の遣りすぎではないかというのが講師の見立てである。又、同じく持ち帰ったブラックパールについては、生育して黒から赤に変色した実を摘んで、乾燥させ翌年5月頃に播くと、再び楽しむことができるとのこと。

後期の実習は、これから迎える冬の寒さに比較的強いミニシクラメンの鉢上げを行った。注意点とその後の葉組みについて説明を聞いた。桜草の仲間というシクラメンは十分な日射を必要とするが、強すぎても葉やけをおこすので、9~10月の期間は30%程度遮光し、追肥は月に1回位行う必要があるとのアドバイスである。5ヶ月間の長きにわたり花を咲かせるシクラメン。鉢上げ後の生育に期待を抱きながらも、当面は気を配らねばならない。

シクラメンは葉と花の数が同じ!葉組みについて説明する講師赤、濃いピンク、薄いピンク色のシクラメンが配られた。
ピンクの花が咲いていたが、惜しげもなく切り取ることになる。農家で育てられ夏を越したシクラメン。大き目の鉢に移植し持ち帰った。うまく育てれば来年3月までは楽しめる。講師曰く、嫁にやる心境とか。

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