第20,21回講座「土壌肥料入門、野菜入門」

講師 坂本昌夫、甲田暢男
開催場所 塚本ビル
開催日時 2013年7月4日

テーマは、「土壌」と「代表的な野菜」
塚本大千葉ビルにて

坂本 昌夫講師甲田 暢男講師

半夏生(ドクダミ科)が咲く頃に降る雨を「半夏雨」(はんげあめ)と言うそうだが、梅雨前線が日本列島の沖に居座り九州から西日本にかけて大雨を降らせ、関東甲信にも大雨予報は出たものの房総半島では降雨には至らなく、半夏雨の季節は未だ続くものと思っていたら、翌々日(7月6日)になると平年より15日も早く梅雨明けの発表があった。早速猛暑が襲来、本格的な夏に入る。

午前の坂本講師による「土壌肥料入門」講座は、植物栽培の基本である土壌に関する講義。土壌論の基礎となる土壌の役割、分類、構成、堆肥・有機物に施用効果などについて語られた。火山灰壌土で6~7割が覆われる房総半島、南部には粘土が多く混じる埴土も見られるとか。このため房総は肥沃な台地といわれる。
午後からの幸田講師の「野菜入門」講座は、前回の総論に続くもので、20数種の野菜について語る講義。夏野菜、夏秋野菜、春夏野菜に分けて紹介された。原産地、栽培方法、注意点などを解説、私たちが食べている野菜のほとんどは元々日本にあったものではないとのこと。食べ物までもが外国からもたらされたものということになる。講義を聞き終え、日本に渡ってきた野菜について思いを馳せてみた。野菜渡来の物語について興味あるし、バラエティに富んだ旨い野菜を国土に定着させた先人たちの苦労のことも知りたい。

講座も第20・21回を迎え、一週間の生活リズムに組み込まれてきたのか、毎週木曜日の講座日が待ち遠しい方もおられるようだ。講座終了後には研修旅行以来の懇親会が開かれ、23名が参加、それぞれのテーブルで場が盛り上がっていた。


第20回講座 
講座名 土壌肥料入門
講師 坂本 昌夫氏(NPO法人ちば農業支援ネットワーク 理事)
日時 7月4日(木)10:00~12:00
場所 塚本大千葉ビル8F

土壌について学ぶ
 都市的環境が広がるにつれて、土壌に関心をもつ人が減っている。私たちの世代は土いじりを楽しんだが、今日、農家以外では家庭菜園での野菜栽培や庭やベランダでの花植えなどでせいぜい土に接する位である。土壌研究に長く係わってこられた坂本講師は、水耕栽培などが行われるようになった現在、土壌は植物栽培には不可欠なものではなくなったとしながら、植物栽培のための総てを与えてくれるのが土壌であり、善悪総てを包み込んでくれるものが土壌であると説かれた。善悪とは?…。
講義の終わりにその意味について説明があった。陸地の表面を覆っている土は平均するとわずか18㎝の厚さに過ぎないそうで、耕作できる土が土壌である。この土壌が、植物体を支持、水分や養分を保持、酸素を供給し、無数の微生物を生かしている。あらゆるものを包み込んでくれる「母なる大地」であり、同時にその中には病害虫も棲み、又、硝酸態窒素を吸着するように、土壌は放射性物質も吸着し厄介な問題を引き起こしている。それを私たちは目の当りにしてきた。

講義風景土壌のサンプルに見入る壌土(耕作に向いた土)と砂土
砂・粘土・その中間の微砂(シルト)に分けられている土壌の種類


第21回講座 
講座名 野菜入門(その2)
講師 幸田 暢男氏(NPO法人ちば農業支援ネットワーク 副理事長)
日時 7月4日(木)13:00~15:00
場所 塚本大千葉ビル8F
 
25種の野菜について学ぶ
 春に植え夏に収穫するトマト、ナス、ピーマン、キュウリ、メロン、スイカ、スイートコーン、サトイモなどの代表的な夏野菜について、前半に解説された。後半は、夏から秋にかけて蒔いたり、育てたりする夏秋野菜のネギ、ニンジン、キャベツ、ブロッコリー、ハクサイ、ダイコン、コカブ、レタス、ソラマメ、エンドウや春夏野菜のジャガイモについて。講義内容の一部になるが、例えば、生育適温について。夏野菜は温度のことを余り気にすることがないようだが、春夏野菜は原産地により生育適温が異なっている。アルタイ地方出身のネギやアフガニスタンのニンジンは5~25度、地中海沿岸を原産地とするキャベツ、ブロッコリー、レタスは20度前後。中央アジア出身のタマネギ、コカブ、ホウレンソウは15~20度、中国を原産地とするハクサイは18~20度と、生育する適温は原産地との関係が強いようで、生まれた環境での遺伝子が脈々と受け継がれていることを知った。

甲田暢男(こうたのぶお)講師講義風景昼休み時間を利用して
野菜解説を聞く

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