第6、7回講座「生物多様性と生態系概論、自然関係法制度概論」

講師 高山順子、熊谷宏尚
開催場所 中央博物館
開催日時 2013年5月16日 午前

テーマは、「生物多様性と生態系」と「自然関係の法律」
県立中央博物館講堂にて

高山 順子講師熊谷 宏尚講師

このところ日中の日差しが強く、夏めいた日が続いている。本日の講座は自然を学ぶシニアにとって、基礎的な知識となる生物多様性と生態系の概念と、自然関係の法制度を学ぶ講義である。内容は基礎的で硬く、面白みが少ないのも事実。両講師ともそのことを意識され、講義冒頭で受講生がどれ位知っているかそれぞれの項目で認知度をチェックされた。自然に関心を抱く受講生でも生物多様性や生態系という概念を知る人は多くなく、法律について知る人はさらに少ないというのが現状。だから学びたいのだという受講生の熱意を汲んで、両講師の講義は予定時間を超して続けられることになった。講義終了後には、内容のある話を聴けて良かったと事務局に声をかけて帰られる方も居られ、受講生の知識吸収に対する意気込みが判り、改めてシニアの学習意欲の強さを思い知った。

第6回講座 「生物多様性と生態系概論」
講師 高山 順子氏(千葉県生物多様性センター主査併任中央博物館上席研究員)
日時 平成25年5月16日(木)10:00~12:00 
場所 千葉県立中央博物館講堂
内容 
前半は、生物多様性についての講義。この概念が生れてきた時代背景、そして、生物多様性条約と国家戦略、地域戦略として千葉県の戦略及び生物多様性センターについて語られた。後半は、生態系概念について、生態学のこと、生物多様性との関係について解説された。講師は現在、印旛沼の周辺水系で繁殖している特定外来生物・カミツキガメの防除に取り組んでおられる。その活動についても残った時間を利用して紹介された。

講義始まる何と、脊椎動物・維管束植物の2割が絶滅危惧種だという生物多様性センターのお外来生物対策。28種が県内の特定外来生物
生態系サービスには、供給・調整・文化・基盤サービスがある森林・里山・干潟などのいろいろな生態系が紹介された高山講師が手掛けておられる印旛沼のカミツキガメの防除

第7回講座 「自然関係法制度概論」
講師 熊谷 宏尚氏(千葉県生物多様性センター主幹)
日時 平成25年5月16日(木)13:00~15:00 
場所 千葉県立中央博物館講堂
内容 
  前半は、環境基本法や生物多様性基本法を上位の法とする自然保護に係わる12の法律とその体系に関する講義。後半は、それぞれの法律の概要が語られ、次いで、時代とともに変化する自然関係法令の変遷についても解説された。時代背景があり、国際的な動きや流れによってつくられている自然関係の法律は、生物多様性条約(1992年)採択後に劇的な変化が起きており、作られる法律の目的も規制から推進、促進へと変わってきている。私たちの生活や活動と法律が関わる部分が増えている。知らないと法律に触れることもあり、又、個人や団体が主体的に参加できる仕組みもできていると括られた。

講義の始まり千葉県に2国定、8県立自然公園がある。知っていますか?千葉県の絶滅危惧種(オオセッカ・ハヤブサ・オオタカ・ミヤコタナゴ・シャープゲンゴロウモドキ)
外来生物法で指定された千葉県の特定外来生物(植物)千葉県の特定外来生物(動物)千葉県の特定外来生物(魚)

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