第4.5回講座「千葉の自然概論、里山里海概論」
講師 | 中村俊彦、北澤哲弥 |
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開催場所 | 中央博物館 |
開催日時 | 2013年5月9日 |
テーマは、「千葉の自然概論」と「里山・里海概論」
県立中央博物館講堂にて中村俊彦講師
北澤哲弥講師
立夏も過ぎ、20度を超す日が多くなった。今日も好天。教室は千葉県立中央博物館の講堂。昼食を外で食べる人が多かったのは、皐月日和に誘われてか。この会場でこれから6回、いろいろな講座が開催される。第4回講座は、中村俊彦講師による「千葉の自然概論」。10時間分の資料があるが、今日の講義はその一部しか話せないので、午後からの「里山・里海概論」の導入に当たるものにしたいと中村講師。午後からの北澤哲弥講師による講義は、房総における里山・里海の役割と変貌について語るもの。千葉の自然のことを今日1日で一通り学んだことになる。
第4回講座 「千葉の自然概論」
講師 中村 俊彦氏(県中央博物館副館長・生物多様性センター副技監)
日時 平成25年5月9日(木)10:00~12:00
場所 千葉県立中央博物館講堂
内容
千葉県の自然は世界一と呼べる要素があると自説を展開される中村講師。今日はそれを納得してもらえればと話を切り出された。世界の海の生き物の15%が房総を囲む海に生息しており、この種の多さは世界一で、人が住みたがる暮らしやすい自然環境に房総は恵まれており、発見されている貝塚の多さがそれを証明しているとか。当時の人口密度は恐らく世界一だったに違いない。その世界一を引き継いだのが房総の里山・里海。その里山の話に移り、更に生物多様性の話へと論を展開された。休息時間後の話は、房総の生物多様性のからくりについて、いろいろな角度からの解説があった。中村俊彦講師
講義前の教室風景
人・自然・文化のかかわりの視点から、千葉の自然概論講義が始まる
房総の海辺の多様性(スライドから)
千葉の特徴的生物「南方系」(スライドから)
千葉の特徴的生物「北方系」(スライドから)
第5回講座 「里山・里海概論」
講師 北澤 哲弥氏(江戸川大学非常勤講師)
日時 平成25年5月9日(木)13:00~15:00
場所 千葉県立中央博物館講堂
内容
前半の1時間は、里山・里海とはどんな場所なのか、そして、里山を特徴づける生き物たちの話。後半は、社会の変遷に伴った里山の変貌について語られた。昔はありふれた自然環境に過ぎず、そのような呼び名もなかった里山・里海であり、ほとんどの受講生にとって子どもの頃に遊んだ場所である。高度経済成長とともに都市中心社会へと社会は変遷していき、その里山・里海も変貌を遂げていくことになる。その変貌について都市化、農家の減少、高齢化による耕作放棄地の増加、農業の近代化などいろいろな角度から解説された。子どもの頃、そこに棲んでいた生物たちにまで興味が及んだ人は多くなかったと思うが、里山に棲んでいた生き物たちのことを知り、興味深く聴き入った。北澤哲弥講師
熱心に耳を傾ける受講生
「里山・里海概論」講義の始まり
多様な植生モザイクが支える生物
地球の生物生力の限界・フットプリント(スライドから)
日本はどれくらいの魚を消費している(スライドから)