特別レポート 後期合宿研修 ~長野県小諸市で星座観察と浅間山麓トレッキング~

講師 高梨直紘
開催場所 長野県小諸市 安藤百福記念自然体験活動指導者養成センター
開催日時 2012年10月2日 〜 2012年10月3日

後期合宿研修が、10月2日より2日間、長野県小諸市の安藤百福記念自然体験者指導者センターに宿泊して行われた。一時は、東日本に接近しつつあった台風17号の進路と時期が合宿研修日にぶつかりそうな予報に実施が危ぶまれたが、幸いにスピードを速めた台風は前々夜に関東甲信地方を足早に通り過ぎて行ったため、信州旅行を迎えることができた。台風一過の秋空が…との期待にこそ沿わなかったが、当日の朝は半袖姿も見かける程の陽気。千葉駅前通りに集合し、小諸の天候を気にしながらバスで出発した。2、3日とも晴天には恵まれなかったものの、研修旅行は予定のスケジュールに沿って合宿の目的を達成し、無事に終了することができた。夜の懇親会や車中での特技披露を通して学友と交流し、懇親も果たすことができ、有意義な旅となった。

10月3日朝、全員で記念写真(安藤百福センター正面前にて)

天体望遠鏡づくりと星座解説の聴講を楽しむ
今回の合宿研修は、星の観測に好適地である小諸高原で初秋の星座を観察するのがメインの目的。特別指導員として第27回講座「天文学コミュニケーション入門」を担当された高梨直紘講師をお招きし、宇宙と星座の解説を聞き、観察用の手造り天文望遠鏡の組み立てを指導してもらい、できた望遠鏡を使って星座の観察を行うのが第一日目の予定で、翌日は、浅間山麓にある浅間山麓国際自然学校に立ち寄り、山麓トレッキングを楽しんで帰るという企画であった。
夜になっても、雲に覆われた夜空に星の輝きを見ることはできなかった。星の代わりに眼下に広がる小諸の街の灯にレンズの焦点を合わせたが、望遠鏡の焦点合わせにはコツがいるようで、完成した望遠鏡の使い方について指導してもらうことになり、星空観察の良いトレーニングとなった。

天体望遠鏡づくりの工作中高梨 直紘講師
そろそろ完成も近い秋の星座を解説する高梨講師
手造り天体望遠鏡が完成!完成した望遠鏡の焦点合わせに一苦労

自然と調和し、人にやさしい研修センターに宿泊する

 合宿研修に参加したのは、前日のキャンセルもあり受講生23名と事務局関係者4名の27名。午前9時に出発、首都高、外環、関越道、上信越道を経て、途中、横川サービスエリアで昼食を摂り、午後、小諸市にあるワイナリーに立ち寄ってワインの試飲などを楽しみ、3時半に目的地に着いた。小諸高原の中腹にある安藤百福記念自然体験者指導者センター(略称安藤百福センター)には予定通りの到着だ。安藤スポーツ食文化振興財団が運営するこのセンターは、インスタントラーメンの発明者である安藤百福氏の生誕百年を記念し、2010年に竣工したばかりの自然体験者指導者を養成するための施設で、著名な建築家である隈研吾氏が設計した建築だそうである。自然と調和したモダンな外観とエントランス、ロビー、ラウンジや2階に至る階段のない廊下やシンプルなインテリアなど、見る者や宿泊する者の心を和ませてくれ、人にやさしいデザインで造られた建築が特色であった。

センターの外観ロビー廊下 2階から下る
ラウンジ小ラウンジ自習机のある部屋

温泉に浸かり、夢中になった工作体験
 センターに到着した一行は、夕食までの時間を利用して歩いて7-8分の地にある「あぐりの湯」で疲れを癒し、しばし寛いだ時間を楽しんだ。夕食後、天体望遠鏡キットの工作に取り組んだ。天文と宇宙への関心を高めることに取り組んでおられる高梨講師によると、倍率35倍のアクロマートレンズを装着するこのキットは、初心者向けには最適で手軽な天体望遠鏡だそうで、約1時間かけて完成した。星空の下で観察することができなかったのは残念だが、持ち帰ってから孫と楽しみたいという声が聞こえた。熱心に工作するシニアの姿を見ていると、学ぶことだけでなく、子どもと同じ位にシニアも好奇心と興味を持ち合わせていることを垣間見た。自然や天体観察などには年齢は関係ない。

信州の夜は更けていく
 その後、食堂で懇親会。高梨夫妻も加わられ、ビールやワイナリーで仕入れたワイン、飯田理事長差し入れの特上酒など豪華なアルコールも加わり、にぎやかな懇談が11時まで続いた。

旅行中のスナップ
ワイナリーにて試飲ワイナリーにて盛り上がる懇親会
高梨講師を囲んで飛び入りバーテンダー?早朝の栗拾い

2日目の朝は栗ひろいで始った
3日(水)は、夜中に降った雨もあがり、曇ってはいるものの、まずまずの天気となった。早起きの人々が朝食までの散歩に出たが、センターの管理人から、周りには栗の木が沢山あるから拾っても良いと言われ、散歩が急に栗ひろいの時間となった。1時間程の間に十数人が栗ひろいに加わり、皆さんそれぞれ良いお土産となったようだ。聞くとこのセンターは、かつての栗林を切り開いて作られたそうだ。

高峰高原トレッキング
朝食の後、延山の国立天文台に向かう高梨夫妻と別れ、一行は浅間山麓を目指して出発した。チェリーパークラインを通り、気温は少しずつ下がって涼しい位となった。
予定通り10時には、高峰高原ビジターセンターに到着した。当センターを運営するNPO法人浅間山麓国際自然学校の方が出迎えて下さり、トレッキングに出掛ける前の簡単な注意事項等を聞いて、早速インタープリターの案内で早くも色づき始めた高原トレッキングに出発した。
この辺りの標高は、2,000mであり、太平洋側と日本海側の分水嶺となっているとの説明があった。又、浅間火山は活火山であり、道路はどこもゴロゴロとした小石の道ばかりであった。
千葉の山々とはまるっきり違う高山の植物等と合わせ、皆インタープリターの話しを熱心に聞き、質問も活発であった。丁度1時間半のトレッキングであったが、途中からは時々雲間から周りの山々も少しだけれど見られたり、充分秋の高原を楽しむことができた。



おいしい昼食のあと帰路に
爽快なトレッキングでお腹をすかし、ビジターセンター内のカフェで食事となったが、用意ができるまでの間、NPO法人の橋詰代表理事がご挨拶され、広大な浅間山麓をフィールドに四季を通じて様々な自然体験プログラムを展開しておられるとのお話しを伺った。



すべてがスケジュールどおりに帰葉
帰路は行きと同様、横川サービスエリア、三芳サービスエリアで小休止を取ったが、その度に、お土産も増えて無事千葉に帰った。
今回の研修は、星の観察といい、浅間からの眺望といい、天候をうらめしく思うばかりであったが、このことを除けば大変素晴しい旅行だったと思っている。参加された皆さんのご協力に心から感謝申し上げます。

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