第54,55回講座「自然体験活動の基礎技術」

講師 庄司 達哉
開催場所 千葉県立君津亀山少年自然の家
開催日時 2013年2月7日

テーマは、「自然体験活動の基礎技術」
千葉県立君津亀山少年自然の家にて

君津亀山少年自然の家の指導者・庄司達哉講師による「自然体験活動の基礎技術」講座。前回に引き続き君津市の少年自然の家にて行われた。前日、関東一円には雪が降ったが、南房総地域は摂氏一度の違いで雪は雨に変わり、この日は春寒も緩む日和。房総丘陵の高地に位置する自然の家の周辺にも春は近づいてきているようで、ロウバイの黄花や雑木林で見かけたクロモジの若枝の芽吹きに春を感じた。

活動に合わせて様々な道具を用いる自然体験活動では、それを使いこなす技術が必要とされる。今日は、キャンプなどで使うロープワークと野外の保存食となる燻製づくりに挑戦してみた。午前は、9種類のロープ結びを試みて、午後からは、燻製づくりを体験した。
生活と関係のある新しい技を習得するのは楽しいが、完全にマスターしないと直ぐに忘れてしまう。ロープ結びについては大部分の人がクリアされたようであったが、でも、出来たらもう一度確認しておきたいとの気持ちを多くの受講生は抱いておられたのだろう。その気持ちを察してのことか、教材として使用したロープは持ち帰ってよいとの庄司氏の言葉に、瞬間どよめきが起こった。これは痒いところに手が届くホスピタリティだった。

庄司 達哉講師千葉県立君津亀山少年自然の家

第54・55回講座 「自然体験活動の基礎技術」

講師 庄司 達哉氏(千葉県立君津亀山少年自然の家副所長・NPO法人千葉自然学校)
日時 平成25年2月7日(木)10:00~15:00 
場所 千葉県立君津亀山少年自然の家
内容 室内で手と頭を使ってロープ結びを習い、更に、野外で燻製づくりを体験し、できた燻製を試食した。

ロープワーク(午前)
キャンプでは、飯盒炊飯の薪割りや火起こし、野外での調理に包丁など刃物を使う。また、ハンモック吊りなどにロープを利用することもある。道具をうまく使いこなして、技を覚えておけばキャンプ生活が楽しくなる。自然体験活動ではそれぞれの場面で様々な技術が必要とされるであろうが、その技術の一部をこの講座で教わった。

午前中は、ロープ結びのスキル。9種類の結び方を試みた。本結び、花結び、テグス結び、巻き結び、もやい結び、自在結び、8の字結びなどは覚えて帰ってくださいとのことであったが、短時間で、指導者に教えてもらいながら覚えた結び方であり、復習しておかないと直ぐに忘れることになる。ロープの持ち帰りが許されたのは有り難かった。

ロープワークを指導する庄司講師アシストの間野氏
花結び使用したロープ


燻製づくり(午後)
 野外キャンプでの燻製づくりは、燻煙により食材を燻製にし、日持ちをよくするために行われてきたが、今では香と食感を楽しむために行われているとか。加工温度の高いものより熱燻、温燻、冷燻という3種類の燻製法がある。スモークサーモンやビーフジャーキーや生ハムづくりは、半日から一週間かけて行われる燻煙法で、これが冷燻。ベーコン、ハム、ソーセージ、魚を1~6時間かけて燻製にするのが温燻。チキン丸ごとや豚バラを30分~4時間の短時間で行うのが熱燻である。

今日は、温燻と熱燻で行う燻製づくりに参加した。下処理済みの食材を燻製にする体験である。本来は食材の下処理から始めねばならないが、時間の関係で、下ごしらえ、塩づけ(塩振りまたは擦り込み、或いは、ソミュール液を塗りまたは漬け込み)、その後の塩抜き、風による乾燥については説明に留め、下の写真のように、ちくわ・チーズを1時間かけて温燻し、同時に30分間で豚バラと蛸を熱燻した。温燻ではスモークウッドに火をつけ、熱燻てはボンベの火で食材が燻製化されるのを待った。

段ボールスモカースモークウッド(桜)ウッドに火をつける
網の上に食材をのせる蓋を閉めて待つその間、たきぎで暖を
待つこと1時間待つ燻製化したちくわとチーズ
温燻したちくわを試食フライパンで熱燻中熱燻の出来上がり
熱燻した豚バラを試食振り返り
卒業も近くなり、全員で記念撮影雑木林の中にクロモジの芽吹きが

次回は、第56・57回講座(2月14日) 
第56回講座:「自然体験活動の安全管理(2)」 講師 神保清司氏
第57回講座:「塩と潮の文化伝承」          講師 田村勇氏

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