渡り鳥と出会って知る、命、地域、地球、宇宙

講師 安西英明
開催場所 手賀沼「水の館」及び「鳥の博物館」(我孫子市)
開催日時 2014年2月5日

「渡り鳥と出会って知る、命、地域、地球、宇宙」
手賀沼「水の館」及び「鳥の博物館」(我孫子市)にて

 前日に舞った雪は積もらなかったが、この日の朝は外の温度がマイナスになる厳寒日。渡り鳥観察と鳥の博物館見学は、予定通りに手賀沼にて開催された。バードウオッチングするには沼を渡り吹き抜けてくる風は冷たかったが、この寒さの中で日向ぼっこするカルガモの集団、腹を空かせて飛び回っている鳥たちの姿を見かける。1時間の観察では、カワセミなど普段は余り目にしない珍しい鳥たちの姿を確認することができた。

県立の親水公園と水の館や市立鳥の博物館がこの一角にある。筆者がこの地を訪れたのはもう30年数前になるか、葦原が目立っていた一帯はきれいに整備されており、鳥を観察するにもってこいの地に変貌していた。ここで渡り鳥についていろいろなことを安西講師から学んだ。山階鳥類研究所は公開されていないので見学できないとのことであったが、水の館と鳥の博物館の見学で十分に目的を達成することができた。

安西 英明講師望遠鏡で野鳥を観察中

第17回講座 「渡り鳥と出会って知る、命、地域、地球、宇宙」(3)
講師  安西 英明氏(日本野鳥の会主席研究員)
日時  平成26年2月5日(水)10:00~15:00
場所  手賀沼「水の館」と親水公園及び我孫子市鳥の博物館(我孫子市)

探鳥会と野鳥の話もろもろ

 3回シリーズとして行われた安西英明講師による講座も、今日が最終回となる。1回目が谷津干潟での渡り鳥観察(習志野市)、2回目は行徳での干潟周辺の野鳥観察(市川市)、そして今日が我孫子市手賀沼での野鳥観察と博物館見学と、毎回場所を変えて行われた。3回目ともなると、鳥たちの中には馴染みになった鳥もあり、そんな鳥たちには一層の親しみを感じるし、それに新しく覚えた鳥の名前も十を超した。

我孫子駅からバスに乗り20分弱で行ける県立水の館に集合した。“ここに飛来している鳥たちを観察し、春を待つ自然の変化を感じてもらいたい”と冒頭の挨拶もそこそこに、早速、渡り鳥たちを観察するために親水公園に出た。アオキの赤い実を目当てにやってきたヒヨドリを先ず見付け、日向ぼっこするカルガモの集団、ハンティングするカワセミ、モズ、オオバンを次々に発見する。中でも、小魚を捕食しようと機をうかがうカワセミの姿をまじかに見ることができ、得難い機会をもった。
午後からは、道を隔てた地に建つ市立の鳥の博物館を訪問し、ここに展示されているいろいろな鳥の標本を見ながら説明を聴いた。鳥についての解説や関連するエピソードはおもしろく、書き留めたことで頁が一杯になる。例えば、分類がガタガタと変わり鳥の図鑑の改定作業に忙殺されておられるという講師は、ここの展示物の分類も変わるものが出くると指摘される。こんな内輪の話を聞けるのもシニア自然大学の受講生冥利に尽きる。
相変わらず話題が尽きない安西講師。申し分なく素晴らしいインタープリターであった。シリーズの講義を終了するに当たり、“時は移り変わるが、巡る季節は確かであり、懐かしさを感じます。それを分かってもらいたいというのが私の講座の趣旨。大人の方がより自然の不思議さを感じることができますよ。”と激励の言葉で閉められた。

親水公園から望む県立水の館親水公園から眺めた手賀沼早速始まった探鳥会
アオキの実を目当てにやってくる鳥たち親水公園内にあるミニ手賀沼のヨシ原で休むカルガモたち。黒い体に白い嘴とおでこがオオバンの特徴。よく見たら、カルガモの集団に交じって泳いでいた。我孫子市の鳥とか。
二羽のカワセミを見かけた。こちらは前から撮影したもの。じっとしているのは、お腹が空いて餌獲りに集中しているからだとか。別のカワセミ。鮮やかな水色の体と長くとがったくちばしが特徴。至近距離で横から撮影することができた。この後、小魚捕食に成功するのを目撃した。私たちには見えない鳥も、講師は鳴き声や囀りを聞くだけでどんな鳥か見分けることができた。
日向ぼっこするカルガモの集団。尾が長い方が雄。地味な色の方が雌。しばらく気持ちよさそうに、羽を休めていた。カルガモの集団に交じって、いろいろな鳥たちが日向ぼっこを楽しんでいた。風は冷たかったが、安西講師の解説を聞きながらしばらく観察を続けた。
渡り鳥に焦点を合わせて観察する。慣れぬと焦点を合わせるのが難しい。代わる代わるに望遠鏡をのぞいて見る。どんな鳥が見れたのかな!鳴き声でモズの居る場所を探し出す講師。背景の建物は県立水の館。一日探鳥すれば、30~40種類の鳥を観察することができるとパンフレットに紹介されていた。
親水公園の案内板。手賀沼の周りには一周20kmの遊歩道が整備されている。一年間では約100種類の鳥を見ることができるという。我孫子市立鳥の博物館展示会場
カルガモの標本を手に解説する講師鳥の博物館の特別展示会場館内を案内する講師
鳥の見分け方を紹介するパネル行動のちがいから見分ける姿から見分ける
鳥の博物館から手賀沼(下沼)を望む水の館、手賀大橋方面を望む

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