第2回講座「千葉の自然と食について」

講師 中村俊彦、渡辺智子
開催場所 千葉駅前の塚本ビル8階の教室
開催日時 2012年4月26日

第2回目講座。今日からの講座は、午前(10時~12時)と午後(1時~3時)の2本たてとなる。午前の「千葉の自然概論」(講師中村俊彦氏)と午後の「健康な暮らしと食」(講師渡辺智子氏)の講座は、前回と同じく千葉駅前の塚本ビル8階の教室で行われた。下の写真のようにスライド上映の関係で椅子が講師を囲んだ。

4月26日(木)の講座
10:00~12:00 「千葉の自然概論」
講師 中村俊彦(千葉県立中央博物館副館長(併任)千葉県生物多様性センター副技監)
13:00~15:00 「健康な暮らしと食」 
講師 渡辺智子(千葉県立保健医療大学教授)

“世界一”もある自然環境の豊かさと生物の多様性
 中村俊彦氏の講義は、シニア自然大学が学習テーマとする「自然、環境、農漁業」など全般に及んだ。親潮と黒潮の海がぶつかり合う房総沖の海、落葉広葉樹林と常緑針葉樹林が共生する房総の台地と里山、これらは普段見慣れた自然環境であるが、実は地球規模でみても特別に恵まれたものであり、生物の多様性と連続性を育んでくれる自然環境である。名古屋で開催されたCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)の場でも専門家からも認められた、千葉県が世界に誇れる自然環境である。
講義の前半は自然環境の特色について、後半はこの自然環境がもたらす生物多様性が意味するものについて、そして、都市化の進展がもたらす影響とこれからのあるべき社会の方向性にまで話題は広がった。
こう書くと堅苦しく聞こえるが、こよなく千葉の自然を愛する中村氏の話は、“世界一”をキーワードに、独自の見解も交えながら房総の自然と環境の魅力を語るものであり、2時間で話し終える内容ではなかったが、ユーモラスな話術といろいろな例を引いての楽しい話に受講生は熱心に耳を傾けた。

実践の勧め・ちば型食生活
 渡辺智子氏の講座は、科学的で、文化的な側面からの豊かな食卓づくりのための望ましい食事に関する話の後、基礎代謝基準値や望ましい体重表の数値から必要なエネルギー量を計算し、食べたエネルギーを計るために食事チェックシートに個人データを記入する実践的な講義となった。シートはチェックされた後、講評されるとのこと。
元気な毎日を過ごすために、千葉の豊かな恵みを生かした「ちば型食生活」を提唱しておられる氏は、仲間と一緒に作成した「ちば型食生活・食事実践ガイド」を教材に、健康維持のために必要なエネルギー量の計算式、健康管理のための望ましい体重管理について細かい解説を加えた。受講生はこうした資料に基づき食事チェックシートの空白欄を埋め、提出した。実践ガイドブックにある“主菜はグウー、副菜はパー”とは、おかずの量をイメージするために考案されたものだが、判りやすい目安だ。
定年後、メタボの指導で地元の栄養士さんにお世話になることがある。患者の立場で聴くことになるのでどうしても構えてしまうことが多いが、今日の講義は第三者の立場で聞くことができた。テーマのせいだろうか、気のせいだろうか、女性の方が男性に比べより真剣に聞き入っておられたように見受けられた。男女を問わず全員が講義に集中して聞き入ったのは、話題がサプリメントに移ったときだ。同世代の関心事は似ているのだと妙なことに納得し、なるほどとうなずいた。

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