里山の恵みの加工・販売技術

講師 佐久間悦子
開催場所 たんぼはうす〔木更津)
開催日時 2014年1月22日

テーマは、「マーマレード加工体験」
木更津市十日市場「たんぼはうす」にて

農産物の加工体験施設「たんぼはうす」は、昨年末味噌作り体験が行われた処であるので、もうお馴染みである。十日市場(木更津市)行きにも慣れた。12月の時は寒風が吹き抜ける平野の道を歩いたので寒かったが、寒の中休みか、大寒入りした今日は歩いても少し暖かさを感じる。講師は味噌作り講座に続き佐久間悦子氏。

里山の恵みは、「だいだい」と「鬼ゆず」。これをマーマレードに加工した。水で洗った橙と鬼ゆずを四つ割にし、それを刻み、果汁を絞り砂糖を加えて鍋に入れ、20分程煮詰めると完成する。果皮の千切り作業に時間が掛かったが、取り掛かって4時間程で出来上がった。煮詰めたものを瓶に詰めてラベルを張り、完成した品を橙2個、鬼柚子1個を持ち帰る。果汁の配分量が少なめになってしまった方のマーマレードの出来上がりが実は気になっていた。翌朝、トーストに塗って食べようと瓶を開けると、とろりとしたゼリー状ではなく砂糖菓子の状態になっていた。砂糖、酸、ペクチンの量をうまく調整し煮詰めることが、なめらかなのび具合のジャムに仕上げるコツであると、頂いたテキストに書いてあった。

佐久間 悦子講師里山の恵みであるだいだいの実

第17回講座 「里山の恵みの加工と販売技術」(その2)
講師  佐久間 悦子氏(元千葉県上席農業改良普及指導員)
日時  1月22日(水)10:00~15:00
場所  たんぼはうす(木更津市十日市場155)

橙マーマレード加工の基本

初めに、佐久間講師の指導で橙と鬼ゆずの実と皮に分け、皮を千切りにした。果皮の苦味を楽しめるのがマーマレードの味の特色であるが、このため食べやすいように薄く刻むことが求められる。慣れぬと包丁で細かく切るのが難しい。プロ級の腕前の人も居られたが、刻まれた果皮を見るとその大きさはまちまち。この作業にかなりの時間がかかった。その後、鍋を加熱し皮を茹でるが、水が沸騰したら茹で汁を捨て、一旦果皮を鍋から取り出して水にさらした。その頃には皮はだいぶ柔らかくなっていた。講師が押し揉みで絞り上げられ、苦味もかなり柔らかくなる。再び、皮と実から絞りだした果汁と砂糖を混ぜ加熱し、ペクチンの作用でゼリー状になる(透き通る)までかき混ぜながら煮詰めた。

余談になる。鬼柚子について。講師はこの柑橘のことを地元では獅子柚子と呼んでいる
と紹介された。柚子の匂いがしなかったので不思議に思って帰宅しネットで検索してみたら、次にように紹介されていた。“鬼柚子はユズではなくブンタンの仲間なので、ユズのような強い香りは無く、ほのかに柑橘類の香りがする。柑橘としてはそれほど美味しい物でもないので、経営的に栽培されている所はほとんどなく、家庭などの観賞用として園芸的に扱われている。”

本日の作業を説明される佐久間講師鬼柚子。木更津地方では獅子柚子。先ず、今日の作業の手順を聞く。
柑橘の水洗いから作業が始まる。水で洗った橙を四つ割りにする。四つ割りにした橙を果皮と実に分ける。果皮の下の白い筋は取り除く。
果皮を薄く刻む。実は絞り果汁をとっておく。千切りに刻まれた橙。この鍋で加熱し茹でる。沸騰したら一旦水を捨てる。(茹でこぼしの作業)この後、押しもみで絞り、水を切って重量を測る。
鬼柚子も四つ割りにし、皮と実を分ける。鬼柚子は果皮の下の白い部分が厚い。再び、皮と果汁を入れ、果皮が透き通るまで煮詰める。ペクチンが溶け出し、果実の酸との作用によりゼリー化する。砂糖を入れてさらに煮込み、途中であくを取る。仕上げ点は104℃。又は、煮詰まった少量をコップに落としてみて仕上がり状態を確認する。
仕上げを確認するには、二通りの方法がある。中心温度104℃になったら火を止めるか、温度計を使わない場合は、コップで確認する。煮詰めたものを瓶詰めする。この際瓶とキャップを洗浄し、いずれも加熱殺菌した上で瓶に詰める。協力して瓶に肉詰め作業を行う。瓶の口の周りはペーパータオルできれいに清拭する。
瓶詰めし、完成品ができる。2種類のラベルを張る。一つは商品名、もう一つは原料、成分、製造者、賞味期限、製造地を期したラベル。橙のラベル
出来上がったマーマレード

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