第24回講座「花き入門」

講師 金子黎次
開催場所 塚本ビル
開催日時 2012年9月6日 午前

夏休み明けの講座が再開

7月19日の第23回講座を最後に夏休みに入っていたシニア自然大学講座が、久しぶりに再開された。稲刈りで出席できなかった一人の方を除き、全員が顔を揃えた。本日の講座は、第24回講座の「花き入門」と第25回講座の「土壌肥料入門」。

講座が始まる前の教室は、久闊を叙する言葉が飛び交い、賑やかだ。こんな雰囲気の中で講座が始まった。皆さんの目つきは違うと講師の先生からお褒めの言葉を頂いたのは、受講生の真剣なまなざしに気付かれたからなのであろうが、或いは、この日のテーマが身近なものであり、それでいて、もう少し突っ込んだことを学んでみたいというテーマ性にあったのかもしれない。受講生の意気込みに後押しされた講師のやる気も伝わってきて、再開第一回目は充実した講義で終った。

第24回講座 花き入門

講師 金子 黎次氏(NPO法人 ちば農業支援ネットワーク理事)
日時 9月6日(木)10:00~12:00 
場所 塚本ビル8階会議室(千葉市)
内容 「花き入門」講座は2回に分けて行われるが、今回はその一回目講義。前半はの講義は花の消費の現状をテーマに、後半はシクラメンの植替え実習が行われた。

金子黎次講師シクラメンの植替え実習

「花き」という言葉をインターネット辞典で検索してみたら、漢字で「花卉」と書いてあるものもあるが、現在では「花き」と書くことが多いとあった。趣味の園芸の分野では草花という言葉が一般に用いられ、営利的な園芸・農業の分野では「花き市場」、「花き出荷組合」などと「花き」という用語が使われているという。観賞用植物のことである。

金子講師の「花き入門」講座は、花の栽培に関する講義だと勝手に想像していたが、花に関するさまざまな知識を深めることを目標にするという講義は、前半は、シクラメンを例に花の生産から消費の現状について。趣味の花園芸栽培づくりの話からではない。産業としての花きについてから講義を説き起こされた。

大変厳しい花の消費の現状について知らされた。説明は、売り上げの推移に止まらず、消費者の所得の変化、世帯主年齢別消費動向、購入動機の変化など、いろいろな角度からの分析に基づくものだ。現在の鉢植えシクラメンの価格は、バブル期に対して三分の一まで低下しているとのことで、卸市場での極端なケースではあったが、わずか1円で落札されたこともあったとのことである。出荷に至るまでのさまざまなコストを開陳されて原価を示し、この中には一年間に及ぶシクラメンを生産する労働力に対する対価は含まれていないという。こんな丁寧な説明を受ければ農家の窮状は想像がつくというものだ。シクラメンの花生産の裏側にある花生産農家の現実を教えてくれた講義であった。最後に、生産から卸、小売、需要までの花きの流通経路についても触れられた。華やかな花の世界のことをイメージしていたので、生ま生ましい現実からアプローチする講義は、よりインパクトのあるものとなった。

 後半は、シクラメンの植え換え実習。夏を越したミニシクラメンの苗を仕上げ鉢に植え替える作業を各自行った。3鉢を持ち帰ったが、2鉢は自宅で手入れして11月頃に開花させるというもの。11月の講義に傑作を持ち寄って品評会でもやろうと呼びかけられた。

シクラメンの植替え実習なかなか難しい?土の移し変え

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